色鮮やかな野菜がいっぱい!さいたまはヨーロッパ野菜の産地
スティッキオ、チーマ・ディ・ラーパ、ラディッキオ……これらがなんだかわかりますか?正解は野菜の名前。イタリアやフランスなど、主にヨーロッパで栽培されている野菜で、日常的に料理に使われています。実は、さいたま市はこれらのヨーロッパ野菜を栽培している産地。 総務省統計局「家計調査」(※)によると、さいたま市はトマトやチーズ、パスタの消費量が日本でもトップクラスで、イタリアンやフレンチのお店が多いエリア。その店のシェフたちの要望によりヨーロッパ野菜の栽培がスタートし、地産地消に加え、現在では全国各地に流通しています。
ヨーロッパ野菜はどのように作られ消費されているのか。実際に栽培している畑を見学し、ヨーロッパ野菜のお料理を提供しているレストランを訪ねてみました。
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収穫のタイミングもわからない すべてが手探りからのスタート
さいたま市内の若手農家が参加し、ヨーロッパ野菜の栽培・普及を目指しているのが、2013年に発足した「さいたまヨーロッパ野菜研究会」(通称:ヨロ研)。参加している農家は十数名おり、それぞれ種類の違うヨーロッパ野菜を栽培しています。
ヨロ研発足当時から参加している森田さんの畑では「チーマ・ディ・ラーパ」などを栽培。畑一面に、青々とした葉が力強く生い茂っています。ヨーロッパ野菜は日本の高温多湿が苦手なうえ、生育方法や収穫のタイミングなどのノウハウがないため、すべてが手探りだったそう。現在は栽培も安定し、全国の飲食店に出荷されるなど流通は全国へ広がっています。
「アクや苦みがあったりするけれど、それもすべてその野菜の味。野菜本来の強い味が残っているのが、ヨーロッパ野菜の魅力」と、森田さん。チーマ・ディ・ラーパは冬に収穫できる菜の花の一種で、煮くずれするくらいまで茹でてから料理に使うそう。独特の青くささや苦みがクセになるとのことで、ぜひ一度味わってみたい一品です。
ピザやパスタでヨーロッパ野菜の魅力を余すところなく味わう
Caffe Giardino ~カフェ ジャルディーノ~は、ヨーロッパ野菜をメニューに取り入れているイタリアンレストラン。ピッツァやパスタなどのランチメニューに加え、ディナーは前菜からメインの肉料理まで充実しています。なかでも450℃の薪窯で焼き上げるナポリピッツァは絶品。表面はカリッ、中はもちっとした生地は軽い口あたりで、これなら何枚でも食べられそう。
サラダのほか、ヨロ研野菜たっぷりのピッツァやさまざまなメニューに数種類のヨーロッパ野菜が使われています。ヘルシーでありながら、満足感はバッチリ。野菜の鮮やかな色味はもちろん、甘みや苦み、清涼感などが複雑にからみあった旨味に驚くはずです。季節によって使う野菜が変わるので、1年を通して色々なヨーロッパ野菜を味わうことができます。
お店で食べたヨーロッパ野菜をお家でも楽しみたい
カフェ ジャルディーノでは、ヨーロッパ野菜の販売もしています。野菜の調理の仕方やおすすめの料理などがポップに書かれているので、あまり馴染みのない野菜でも大丈夫。その日お店で使う野菜と同じ種類の野菜も並ぶので、料理の味を思い出しながら自宅で再現してみるのもおすすめです。
※総務省統計局『家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(2020年(令和2年)~2022年(令和4年)平均)』より