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"あなたの知らない岩槻!?"岩槻観光ボランティアガイド会が教えます!

7月初旬、早くも夏本番のような暑さの中で岩槻駅東口クレセントモールで開催されたイベント「第29回 人形のまち岩槻 朝顔市」において「岩槻観光ボランティアガイド会」による岩槻観光ツアーが行なわれました。当日は午前中に2回に分けて出発し、各回10名の参加者がありました。

「みんなで岩槻の歴史と文化を学ぼう」と題された今回のツアーは、朝顔市会場周辺の見どころを巡る1時間30分のコースです。

1回目のツアーは午前9時30分に会場のガイドテントに集合し、私(さいたま観光国際協会職員)もこの回に同行させていただきました。

 

エリア
朝顔市チラシ裏_岩槻観光ツアー

芳林寺

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写真:老舗人形店 人形の東玉前、芳林寺 太田道灌の銅像、岩槻観光ボランティアガイド会 田辺さん

 

今回、ガイドを務めていただいたのは「岩槻観光ボランティアガイド会」の田辺さんです。

岩槻駅前の朝顔市会場をスタートして駅前の老舗人形店前で店名の由来を聞いてから、最初の目的地である太田氏縁の寺院である曹洞宗の「芳林寺」に到着すると太田道灌にまつわる話として「山吹の里の伝説」を聞き、「太田道灌の銅像はその伝説にちなんで鷹狩り装束で立っている姿が各所で見受けられるが、この芳林寺山門横にある銅像は甲冑を着て騎馬姿なのでめずらしい」との説明と、「短期間であったが、埼玉県庁は浦和の前にここ芳林寺に置かれていた」との話をしてくれました。

また山門横の広大な空き地には芝居小屋があったとの説明を聞き、その頃の岩槻の賑わいを彷彿させます。

市宿通り

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写真:市宿通り、高札場の残景、老舗菓子店 田中屋本店・藤宮製菓、瓦鍾馗、市宿通り案内板

 

続いて日光御成街道の市宿(いちじゅく)通りへ出て、城下町の面影が随所に感じられる街並みを見ながら歩きます。お上からのお達し等が掲示された高札(こうさつ)場が置かれていた場所、伝統工芸士の老舗人形店や老舗菓子店、及びこの道は徳川将軍家が日光社参の折に通った道なので本陣や脇本陣の跡などを解説してくれました。

参加者の皆さんが物珍しく眺めていたのが「瓦鍾馗(かわらしょうき)」で、家の魔除け、厄除けのために瓦屋根の上に置かれた各々の鍾馗様をガイドさんが指し示して見つけることができました。

この市宿通りには「みどころマップ」の案内板が設置されているので、観光スポットの位置関係も分かり易く歩く事ができます。

遷喬館

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写真:市宿通り東側、遷喬館_1、遷喬館_2、

 

市宿通りを一本東側の道に入り、町人と武士が居住していた地域の境界線を通って曲がるとすぐに木戸があった名残りで道幅が変わる地点をガイドさんから教えてもらい、そこから間もなく江戸時代に創設された岩槻藩の藩校「遷喬館(せんきょうかん)」に着きます。この建物は武家屋敷を利用したもので茅葺き屋根や入口の式台などが印象的です。ここで藩士の子弟達が儒学等を学んでいたのかと、間取りを見ながらその時代に思いを馳せます。

岩槻人形博物館

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写真:岩槻人形博物館、にぎわい交流館いわつき、ヨロ研カフェ

 

裏小路を歩いて公立博物館としては日本初の人形をテーマとした「岩槻人形博物館」に到着。人形の頭(かしら)の製造工程などの展示物を見学後に向かい側の「にぎわい交流館いわつき」で休憩です。ここでは飾り物や絵葉書などの作成体験イベントも開催されます(事前申込制)。またその隣りの「ヨロ研カフェ」ではヨーロッパ野菜を使った料理も味わえ、岩槻の土産品も購入できます。人形博物館を訪れた際はぜひ合わせてお楽しみください。

大龍寺

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写真:大龍寺、大龍寺山門、大龍寺本堂

 

人形博物館向かいの奥に通じる道は「大龍寺」の参道で、真っすぐ進むと龍の彫り物が施された立派な山門に着きます。また、本堂正面の左右の柱にも木彫りの龍が巻き付いています。このお寺は江戸時代に創建された曹洞宗のお寺です。歴史ある寺構えと境内の緑の木々は美しく、本堂裏には樹齢400年を超えるスダジイがその威容を誇っています。

岩槻には他にも訪れていただきたい古刹がたくさんあり、各々興味深い特徴がありますよ!

愛宕神社

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写真:愛宕神社、大構、まちかど雛めぐりを説明

 

最後のスポット「愛宕神社」へ、この神社は岩槻城と城下町を囲んだ全長8kmにも及ぶ「大構(おおがまえ)」という土塁の上に鎮座しており、言い伝えによると太田氏が岩槻城を築いた時に小さな祠を見つけて土塁の上に祀ったのが神社創建の始まりと言われています。本殿正面の石段を上ると土塁の高さを実感できるおすすめスポットです。また、毎年2〜3月にかけて行われる「人形のまち岩槻 まちかど雛めぐり」ではこの石段上に大ひな壇飾りが設置されて、見どころスポットの一つになります(期間中、土・日・祝の指定日)。

ガイドツアーに参加してみて

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写真:ガイドをしてくれた田辺さん、芳林寺でのガイドの様子、岩槻郷土資料館

 

最後にガイドの田辺さんより、「人形のまち」に関わる話として「ひな壇飾りにおいて『お内裏様』のお殿様とお姫様を置く位置が関西と関東では左右逆になるのは京都御所における『君子南面す』からお殿様を向かって右側に置いたのが、その後西洋文化に習って東京では向かって左側に置くようになった。同様に両国国技館においては西側にロイヤルボックスの位置を基にして、呼び出しさんが「東〜」と言っている方向は実は北です」などの豆知識を聞くことができました。これはガイドツアーに参加した皆さんへの特典となりました。

今回は岩槻城下町を歩いて歴史と文化を学ぶツアーであったため「皆さんは今、お侍さんの屋敷道を巡っているのですよ」と言う田辺さんの言葉はワクワク感が増して楽しく参加できました。

市外から参加された方は、「岩槻が人形の街である事は知っていたが、歴史面でも学びたくて参加したのでとても面白かった」とおっしゃっていましたので、私も「岩槻の新たな魅力を感じていただけたのだ」と、さいたま市の観光をPRする身として私も嬉しくなりました。

岩槻には他にも旧岩槻警察署の建屋を利用した「郷土資料館」や「酒蔵資料館」、「城址公園」など、見どころ満載です。岩槻の魅力をより深く知っていただくために何度も訪れていただけることを願っています。

ガイドツアー参加者募集中!

岩槻観光ボランティアガイド会では、随時ガイドツアーを開催しています。季節感のあるツアーや、英語でのガイドツアーなど、何度も楽しめる内容となっています。まだまだ岩槻について新たな発見と学びがあるはずです!ぜひご参加ください。

【岩槻観光ボランティアガイド会】の詳細はこちら!

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